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「サーガディアンリズム」を形づくる生体リズムと病気の関係~病気にはかかりやすい時刻がある~

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更新日: 2024.04.26
「サーガディアンリズム」を形づくる生体リズムと病気の関係~病気にはかかりやすい時刻がある~
この記事を書いた人:ワーカーズドクターズ編集部

産業保健に関する情報を幅広く発信。産業医業界で10年以上、約1,250ヶ所の事業場の産業保健業務サポートをしているワーカーズドクターズだからこその基礎知識や最新の業界動向など、企業様の産業保健活動に役立つ情報をお届けします。

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子どもの頃に生活習慣を整えましょうと言われた経験がある人は多いと思います。規則正しい生活習慣を送ることで、自分の体内で起こる周期的な変化、生体リズムを一定に保つことができるのです。生体リズムは体の不調や病気と繋がっており、病気の症状が出やすい時間帯などもわかっています。この記事では生体リズムとは何か、病気の発症とどのような関係があるのかについて解説します。

生体リズム、サーカディアンリズムとは

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月経や体温の変化を見るとわかるように、私たちの体の変化は周期的に起こっています。このような決まった周期でからだの変化をもたらす働きを生体リズムと呼びます。
そのうち、およそ24時間周期でからだを同調させる調整機能をサーカディアンリズム、または概日リズムと呼びます。サーカディアンリズムは主に光をもとに調整され、周期は25時間に近いため、昼夜の変化や時間がわからない状況で生活していると、リズムが徐々にずれていきます。
この、ずれが生じた周期のことをフリーランリズムと呼び、このリズムが続くと眠りにつきにくくなるなど、体に悪影響を及ぼします。私たちが体内時間を調整できているのは「同調因子」というものが関係しています。

同調因子は、たとえば光、時計、運動、食事など、普段の生活の中に存在します。そのため、正しい24時間周期を保つには朝方の日光を浴び、体内のリズムを調節する必要があるのです。

生体リズムのずれは体の不調に

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体内のリズムにずれが生じると、どのような影響があるのでしょうか。時差ボケを経験したことがある方はわかりやすいかと思いますが、眠りにつきにくい、食欲の減退、倦怠感などの症状が出ます。体内リズムを正常に保つには、規則的な生活を送る必要があります。

不眠や不規則な生活で生体リズムがずれる

私たちの体内の細胞には時計遺伝子という遺伝子が存在し、主な時計遺伝子(主時計)は脳内の視床下部の視交叉上核に存在していますが、胃や肝臓、血管など抹消組織などあらゆるところに個別に動く時計遺伝子(副時計)が存在しています。

主時計は目(網膜)から光の情報を受け取り、朝だと認識すると時計がリセットされ、副時計は明暗などには関係なく朝食を摂ることで動き出すと言われています。そのため、体内時計をうまく調整するためには、起床時間だけではなく、食事や運動のタイミングも重要なのです。

生体リズムのずれは、生活習慣病に繋がることもあります。たとえば、不規則な生活で食欲をコントロールするホルモンの調整がうまくいかなくなると肥満や糖尿病のリスクが高まります。また、睡眠不足が続くと食欲を減少させるホルモンであるレプチンの分泌が減り、食欲を増大させるグレリンの分泌が過剰になるため、過食に陥りやすくなります。

加齢によって生体リズムも変化する

高齢者は早寝早起きというイメージがあります。これは生体リズムが加齢によって徐々に前倒しに変化するためです。睡眠時間も若い頃に比べて短くなります。それ自体は自然なことなので、無理に長く寝ようとする必要はありません。しかし体の変化に影響されて、起床、食事、運動のタイミングが不規則になってしまわないよう気をつけましょう。

生体リズムを整える生活の送り方

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前述のとおり、主時計は光によってリセットされるため、起床時間を固定し日光を浴びるタイミングをなるべく一定にすることが推奨されます。また、一定時刻に食事を摂ることで、体内の副時計が調整され、リズムが作られます。朝は体内時計を動かす糖質、タンパク質を取り入れた食事を摂ると効果的です。食事内容だけでなく、いつ食べるかにも気を遣ってみましょう。

炭水化物は夜に食べすぎると体に悪いという話も、体内のエネルギー代謝が一定のリズムを持っていることが理由です。さらに運動についても同じことがいえます。

朝から昼にかけての運動は体の朝方化を促しますが、夜遅くの運動は体の夜型化に繋がるので注意が必要です。朝に運動をすると代謝の促進にもなるので、健康で時間に余裕がある人は散歩などを行うと良いです。また、夕方は体温が高くエネルギー消費が大きいので、効率的に運動をすることができます。15時から19時頃までに行うのがよいでしょう。

【補足】夜勤のある人の生活の送り方

夜勤で生活リズムをうまく保てないという場合もあるでしょう。常に夜勤のみという場合はリズムを保ちやすいですが、日によって勤務時間が変わるシフト制の場合はとくに生活習慣が乱れやすくなります。健康的な生活を送るために、以下のことに気を付けましょう。

質の高い睡眠をとる

就寝前のアルコールやカフェインの摂取、消化に悪い食事はやめ、眠りの質を高めるようにしましょう。

仮眠をとる

可能な場合は仮眠をとることで夜勤の間のパフォーマンス向上に繋がります。2時間以上の仮眠が望ましいですが、10分ほどでも良いリフレッシュになります。

仕事の関係で生活リズムを一定に保てない場合は、お風呂や食事、運動のタイミングがつかみにくく、ストレスがかかることも多いです。自分に合った生活習慣を探すことも大切ですが、健康を維持しやすい勤務体制が考慮される職場づくりも重要です。

生体リズムによって症状が出やすい時間帯がある

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このように、人の体はサーカディアンリズムをもとに活動しています。ホルモンが多く分泌される時間や血圧がとくに高くなるタイミングなども、このリズムに従って周期的に起こります。そのため、実は病気の症状がでやすい時間帯というのもある程度予測できるのです。

たとえば、心筋梗塞が起こるのは早朝が多いです。中高年層が朝ゴルフで倒れてしまったというニュースを聞いたことはないでしょうか。早朝は血圧の上昇が起こり、また血液が固まりやすくなっていることから、心筋梗塞になりやすいのです。このように病気は時間帯の影響も受けるため、医療の分野では症状が出やすい時間帯を考慮して用法や用量を決め、薬の効き目を高める取り組みも行われています。

まとめ|生体リズム、サーカディアンリズムを整え健康な毎日を

人の体内の活動は1日の周期に合わせて変化するため、睡眠や食事、運動、さらに病気とサーカディアンリズムは密接な関係を持っています。そのため健康的な生活のためには生活リズムを整えることが大切です。体の不調をコントロールする際も、時間帯に気を配ってみると良いでしょう。仕事との兼ね合いで生活リズムが崩れがちな場合、まずは自分に合った食事や入浴のタイミングをみつけ、質のよい睡眠をとることが大切です。生体リズムをコントロールして、健康的な毎日を送りましょう。

公開日: 2024.04.19
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