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睡眠障害や業務中の眠気による生産性低下を予防する方法とは?

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更新日: 2023.08.01
睡眠障害や業務中の眠気による生産性低下を予防する方法とは?
この記事を書いた人:清水杏里先生

ワーカーズドクターズ産業医 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医

ワーカーズドクターズ産業医 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医

睡眠障害などによる睡眠不足で業務中に眠気があると、仕事の生産性の低下につながります。この記事では、良質な睡眠をとるためのコツや眠気が起きたときの対処法、日中眠気を起こす病気について詳しく解説します。

睡眠不足は作業能力が低下し危険な事故につながることも

睡眠障害などで業務中に眠気があると、仕事の生産
性が低下してしまいます。忙しい職場では、睡眠時
間を削って働くこともあるかもしれませんが、睡眠
不足の状態での作業能力は、飲酒時と同程度に下が
ってしまうといわれています。

また、睡眠不足は事故の危険性も高めます。居眠り
事故は死亡事故につながりやすいと言われており、
眠気が強いほど交通事故が発生しやすいことが示さ
れています。特に、夜間睡眠が6 時間未満の場合に
追突事故や自損事故の頻度が高いとされています。

必要な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満と言われて
いますが、個人差があり、年齢によっても変わりま
す。加齢に伴い徐々に睡眠時間は減少し、早寝早起
きの傾向が強まり、朝型になることが知られていま
す。日中の眠気がなければ、普段の睡眠時間は足り
ていると言えるでしょう。

居眠り運転

良質な睡眠のために気を付けること

生活習慣によって、睡眠と覚醒のリズムにメリハリ
をつけることができます。適度な運動習慣は、睡眠
の質を高めます。また、しっかりと朝食をとること
は朝の目覚めを促します。一方で、寝る前に夜食を
食べたり、激しい運動をすると、寝つきが悪くなる
ため注意が必要です。

寝つきを良くするために、リラックスすることも有
効です。例えば、ぬるめのお湯でゆったり入浴する
とよいでしょう。入浴で温まった体温が徐々に低下
すると、眠気に繋がります。

良質な睡眠

就寝前の飲酒や喫煙は、睡眠の質を下げてしまいます。アルコールは一時的に眠くなりますが、睡眠が浅くなり、途中で起きてしまうため、熟睡感が得られにくくなります。また、徐々に体が慣れてお酒の量が増えてしまいます。睡眠薬代わりに寝酒を飲む方は控えた方がいいでしょう。

また、ニコチンは覚醒作用があるため、就寝前に喫煙すると寝付きにくくなり、睡眠を浅くします。

カフェインは、コーヒー、緑茶、紅茶、ココア、栄養・健康ドリンク剤などに含まれていますが、就寝前 3~4 時間以内に摂取すると、眠りを浅くします。カフェインには覚醒効果のほかに尿を作る作用もあり、夜中にトイレに行きたくなって目が覚める原因にもなります。

寝床に入ってから携帯電話、SNSやゲームなどに熱中すると、光の刺激で目が覚めてしまい、夜更かしの原因にもなるので、注意が必要です。

一度不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとしがちですが、早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。就床時刻はあくまで目安ですので、その日の眠気に応じて「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズに眠る近道です。

眠気が起きたときの対処法

生活習慣などに気を付けても眠気が起きてしまった
場合は、ガムをかむ、コーヒーなどのカフェインを
摂取する、飲み物を飲む、ストレッチをする、眠気
を覚ますツボを押す、冷たい水で顔を洗う、首元を
冷やすなどの対処法が効果的とされています。

また、思い切って20分以内の短い昼寝をするとすっ
きりして集中力や作業能力が改善します。

眠気の対処法

日中の眠気を起こす病気

睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が隠れていることがあります。

うつ病の方は、「寝つきが悪く、早朝に目が覚めたり、睡眠中に何度も目が覚める」などの不眠症状が9割近くの方に出るとされています。

また、不眠症の人は、うつ病になりやすいといわれています。うつ病に限らず、睡眠時間が不足していたり、不眠症のため寝床についても眠れなかったりして、睡眠による休養感が得られなくなると、日中の注意力や集中力の低下、頭痛やその他のからだの痛みや消化器系の不調などが現れ、意欲が低下することが分かっています。

日中の眠気を引き起こす病気に「睡眠時無呼吸症候群」があります。 「睡眠中に大きないびきをかく、時々呼吸が止まっている」方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。男性で約9%、女 性で約3%いるとされており、中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の方は、「5 年間の複数回の事故経験」が約 2.4 倍であることが示されています。適切に治療を行うと、眠気が改善し、事故の発生率も低下します。

就寝時の足のむずむず感や熱感は、「レストレスレッグス症候群」の可能性があります。また、睡眠中の手足のぴくつきは「周期性四肢運動障害」の可能性があります。これらの病気があると、眠っても休息感が得られず、日中に眠気がでることがあります。

また、夜眠っていても、日中の強い眠気や居眠りがある場合は、「ナルコレプシー」などの過眠症の可能性があります。

いずれも治療すれば改善可能な病気ですので、ご自身や身の回りの方が当てはまるかもしれないと思った際には、必ず専門医に相談するようにしてください。

まとめ

睡眠障害は業務の生産性を下げるだけでなく、事故につながる危険性もある症状です。日中に眠気を感じる方は、普段の生活習慣を見直してみましょう。それでもうまく眠れない際は、病気の可能性もありますので、専門医に相談してみてください。

睡眠薬もどんどん新しいものが開発されており、依存性や副作用も少なくなっています。適切に治療を行い、良質な睡眠を得ることで、生活全体の質が向上できると思います。

【イラスト】清水杏里

<参考文献>

健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

公開日: 2022.09.04
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