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健康経営優良法人2027|申請スケジュールと認定要件の主な改訂点

  • 産業保健
更新日: 2026.09.24
健康経営優良法人2027|申請スケジュールと認定要件の主な改訂点
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この記事を書いた人:ワーカーズドクターズ編集部

【監修】佐藤将人 ワーカーズドクターズ提携産業医、合同会社SUGAR代表医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、臨床心理士、中小企業診断士、両立支援コーディネーター、健康経営アドバイザー、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

【監修】佐藤将人 ワーカーズドクターズ提携産業医、合同会社SUGAR代表医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、臨床心理士、中小企業診断士、両立支援コーディネーター、健康経営アドバイザー、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

健康経営優良法人2027の申請受付が2026年8月17日に始まりました。大規模法人部門の締切は10月9日17時、認定要件は5つの大項目に整理されています。日程と要件の一覧そのものは、公式ポータルで数分で確認できます。

ただし実際の申請では、要件を一つずつ確認して施策を実行するだけでは足りません。認定要件には、施策の数をいくら増やしても埋められない項目が含まれています。必須要件「産業医・保健師の関与」がそれにあたり、該当設問で「特に関与していない」を選んだ場合、ほかの項目をすべて満たしていても不認定となります。労働安全衛生法にもとづいて産業医を選任し、法定業務を実施しているだけでは、当該要件への適合を示せません。

本記事では2027年版の改訂点と大規模法人部門の認定要件を整理したうえで、不認定につながりやすい箇所を設問単位で確認していきます。読み終える頃には、産業医や保健師との打ち合わせで何を決めておくべきかが見えてくるはずです。

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健康経営優良法人2027の申請スケジュール

健康経営優良法人2027の申請スケジュール.jpg

大規模法人部門の申請受付は2026年8月17日から10月9日17時までで、締切の延長は行われません。認定発表は2027年3月で、申請から認定までおよそ半年を要します。申請料は1件80,000円(税込88,000円)です。

参考:新規IDの取得について|ACTION!健康経営

大規模法人部門の受付は2026年8月17日から10月9日17時まで

大規模法人部門で申請する場合、提出物は「健康経営度調査票」です。中小規模法人部門の「認定申請書」とは様式が異なり、締切日も1週間異なります。

締切について注意すべき点は、延長が行われないことです。令和8年度健康経営度調査には「※締切の延長は行いません。期日以降のご回答は一切受け付けませんのでご注意ください」と明記されています。

初めて申請する法人は、申請用IDの取得が別途必要です。新規ID発行は2026年8月3日に開始されています。ID発行の受付には期限があり、大規模法人部門は2026年10月8日まで、中小規模法人部門は10月15日までです。回答締切とは別の期限であるため、初回申請の法人は逆算に注意が必要です。

東京証券取引所の上場企業で大規模法人部門に申請する場合は、申請区分が非上場法人とわかれています。なお初めて回答する東証上場企業については、事務局があらかじめIDを用意しているため、新規ID発行の申込みは不要です。自社が該当するかどうかは、事務局からの案内で確認してください。

また「代理でのID取得および代理での申請は認めておりません。必ず申請法人の担当者自らIDを取得してください」と明記されており、代理店やコンサルティング会社が代わりに手続きすることはできません。

参考:ACTION!健康経営「健康経営優良法人(大規模法人部門)認定申請」

参考:ACTION!健康経営「新規IDの取得について」

申請から2027年3月の認定発表までの流れ

調査票の提出後は、2026年11月上旬頃に請求書が送付され、12月31日15時時点の入金確認をもって審査期間に入ります。内定は2027年2月下旬頃、健康経営優良法人の発表は2027年3月です。健康経営銘柄2027の選定も同じ時期です。

健康経営銘柄の候補となるのは、大規模法人部門に申請し(Q4)、かつ健康経営銘柄へのエントリーを希望する(Q5SQ1)企業のうち、次の条件を満たす法人です。

  • ・東京証券取引所の上場企業であること(TOKYO PRO Marketは除く)
  • ・評価結果が上位500位以内であること
  • ・ホワイト500の認定要件を満たしていること
  • ・健康経営に関する投資家との対話実績(Q19)を満たしていること

この候補群に対して財務指標によるスクリーニングや加点を行い、選定されます。原則として33業種ごとに1社で、1業種あたりの枠は原則最大5社です。

ただし同率の企業が存在して5枠を超える場合には、その企業数分の枠が設けられます。大規模法人部門への申請は、銘柄選定の前提にもなっています。

回答した法人には、健康経営の実践レベルを分析した評価結果(フィードバックシート)が送付されます。一部に未記入の項目があっても送付されるため、自社の位置を把握する目的でも回答の価値があります。

申請料は1件80,000円(税込88,000円)

大規模法人部門の申請料は1件あたり80,000円(税込88,000円)です。グループ会社と合算して申請する場合は、申請主体となる法人の申請料に加えて、同時認定の対象となる法人1社ごとに15,000円(税込16,500円)が加算されます。

請求書の送付は2026年11月上旬頃、振込期限は12月31日15時時点の入金確認です。予算の確保と稟議のリードタイムを踏まえると、申請の意思決定は受付開始より前に済ませておくのが現実的でしょう。

なお、健康経営度調査への回答のみを行う場合は認定審査が実施されないため、認定申請料はかかりません。この場合もフィードバックシートは提供されます。認定の取得は当年度は見送りつつ、自社の位置を把握したい法人にとっては選択肢になります。

健康経営優良法人2027で変わる認定要件

健康経営優良法人2027で変わる認定要件を影響範囲別に整理した図と、選択項目17項目の一覧.jpg

2027年版の改訂方針は回答負担の軽減ですが、大規模法人部門ではホワイト500の要件が再編され、長時間労働への対応は実質的に条件が上がります。必須要件の骨格そのものは維持されるため、前年に認定を取得した法人が新たに対応を求められるのは限られた範囲です。

改訂方針として掲げられているのは、設問内容の重複の確認と統合、評価に使用していない設問の削除です。設問数が多く回答負担が大きいという声が続いていたことが背景にあります。ただし負担軽減の一方で、評価項目の適合条件は厳しくなる箇所があります。

①ホワイト500認定要件の再編

ホワイト500の認定要件では、次の2つの評価項目が再構成されました。

健康経営優良法人2027で再編されたホワイト500の2つの要件.jpg

自社従業員以外への健康経営の普及・浸透

前年度はグループ会社への推進方針の浸透(Q20)と取引先・他社への健康経営支援(Q21)の両方を満たすことが要件でした。2027年版では、新Q20で他社からの派遣社員等または家族への健康支援を実施していること、新Q21でグループ会社と取引先等への普及・支援を実施していることが要件です。

他社からの派遣社員等(常時使用しない従業員を含む)への健康支援(Q20(a))と、従業員の家族への健康支援(Q20(b))については、2027年版ではいずれか一方で足ります。確定版調査票には、2028年版以降は両方を要件とする予定と記載されています。今後変更される可能性があるため、次年度の確定資料も確認してください。

従業員への健康経営の理解・促進

「1.経営理念・方針」の評価項目「健康経営の推進方針の浸透」と、「2.組織体制」の設問の内容が重複していたことを受け、「2.組織体制」の評価項目として再構成されました。該当設問はQ30とQ31で、いずれも管理職向けと従業員向けの両方で取り組みが必要です。「特に行っていない」を選ぶとホワイト500の認定要件を満たしません。

②「長時間労働の予防と事後対応」への一体化

選択項目の⑭は、評価項目名が「長時間労働者への対応に関する取り組み」から「長時間労働の予防と事後対応」に変更されました。従来は別々の設問だった労働時間の適正化と長時間労働者への対応が、1つの設問に統合されました。

適合条件が部門によって異なる点が重要です。大規模法人部門では、予防と事後対応のいずれも取り組んでいることをもって評価項目適合となります。中小規模法人部門ではいずれかの実施で適合ですが、確定版の資料には「ただし、来年度からは長時間労働の予防と事後対応の両方を実施していることを持って評価項目適合とする」と付記されています。

大規模法人部門では、今年度から両方が必要になります。予防側だけを整えていた法人は、事後対応の側を確認しておく必要があります。

③睡眠に関する設問の新設

睡眠に関する取り組みは、従来は従業員の生産性低下防止のための取り組みの一部として確認されていましたが、政策的に推進されることを踏まえて設問が新設されました。

ただしQ55には、必須設問を示す「★」も認定要件かつ選択設問を示す「■」も付いていません。2027年版の認定要件には含まれない調査設問です。認定の可否に直結する項目ではないため、優先順位は必須要件や選択項目より低く見て構いません。

新設された設問では、以下の取り組みが選択肢として設定されます。

・仮眠室やリフレッシュルームの設置

・仮眠制度の導入

・執務室内の照明の工夫

・SAS(睡眠時無呼吸症候群)検査の実施

・睡眠改善アプリやウェアラブルデバイスの提供

・産業医・臨床心理士・保健師等による睡眠関連指導 など

産業保健職による睡眠指導が選択肢に含まれている点は、産業医や保健師の稼働内容を検討する材料になります。

④評価項目名の変更と設問の統合

このほか、評価項目の名称と該当設問にも整理が入りました。実務に影響するのは次の3点です。

対象 2026年版 2027年版
選択項目⑥ 適切な働き方実現及び育児・介護の両立支援の取り組み ワークライフバランスの実現及び育児・介護の両立支援の取り組み
選択項目⑭ 長時間労働者への対応に関する取り組み 長時間労働の予防と事後対応
必須要件「健康経営の方針等の社内外への発信」の該当設問 Q18SQ4(健康経営の目的と体制の開示媒体) Q18SQ5(健康経営の推進について一元的に記載している媒体とURL)

⑥は評価項目名が変更され、⑭は名称と適合条件の両方が変更されました。⑭については前述のとおり、大規模法人部門では予防と事後対応の両方が必要になります。また、必須要件「健康経営の方針等の社内外への発信」の該当設問は、Q18SQ4からQ18SQ5へ変更されています。

対応が生じやすいのは、必須要件の判定に用いられる該当設問がQ18SQ4からQ18SQ5へ変わった点です。Q18SQ5自体は2026年版にもあり、最も一元的に記載している媒体を回答する設問です。健康経営の目的と体制が別のページに分かれている場合は2つまでURLを記載できます。新たにまとめページを作ることが一律に求められるわけではないため、まずは自社の開示状況に最も近い媒体を特定してください。

なお確定版調査票で比較すると、②・③・⑧・⑯の評価項目名に変更はありません。前年の回答内容をそのまま引き継いで確認できる範囲です。

参考:ACTION!健康経営 健康経営優良法人2027(大規模法人部門)認定要件

大規模法人部門の認定要件の構造

大規模法人部門の必須項目と選択項目の関係を示した図.jpg

認定要件は5つの大項目で構成され、必須項目と「①から⑰のうち14項目以上」の選択項目に分かれます。必須項目を1つ落とすと、選択項目を17項目すべて満たしていても認定されません。まず必須項目の充足を確認し、そのうえで選択項目を積み上げる順序が合理的です。

初めに押さえるべき大項目は以下の5つです。

1.経営理念・方針

2.組織体制

3.制度・施策実行

4.評価・改善

5.法令遵守・リスクマネジメント

選択項目17項目は、①が「1.経営理念・方針」、②から⑰が「3.制度・施策実行」に置かれています。ただし「3.制度・施策実行」には必須項目も含まれるため、大項目の単位で必須と選択がわかれるわけではありません。評価項目ごとにどちらの区分かを確認する必要があります。

必須項目に指定されている評価項目

・大規模法人部門で必須とされている評価項目は、次の8つです。

・健康経営の方針等の社内外への発信(Q17・Q18)

・健康づくり責任者が役員以上であること(Q22)

・産業医・保健師の関与(Q26)

・健保組合等保険者との協議・連携(Q28・Q29)

・健康経営の具体的な推進計画(Q32)

・受動喫煙対策に関する取り組み(Q61)

・健康経営の実施についての効果検証(Q69)

・法令遵守・リスクマネジメント(定期健診の実施、50人以上の事業場でのストレスチェックの実施、労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと等)

いずれも1つでも欠けると認定されません。組織体制に関する項目が3つ含まれており、施策の量ではなく体制の整備が問われる構造になっています。

なおホワイト500と健康経営銘柄では、上記に加えて以下の5項目が必須となります。

・従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示

・他社からの派遣社員等や家族への健康支援

・トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること

・健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・決定

・従業員への健康経営の理解・促進

この5項目は大規模法人部門の認定では必須ではないため、狙う認定の水準によって確認すべき範囲が変わります。

なお調査票では、必須設問の冒頭に「★」、認定要件かつ選択設問には「■」、健康経営銘柄およびホワイト500の認定要件に係る設問には「◎」が記載されています。自社の回答状況を点検する際は、まず★の付いた設問から確認すると漏れを防げます。

選択項目は①から⑰のうち14項目以上

選択項目は17項目あり、大規模法人部門では14項目以上の適合が必要です。落とせるのは3項目までという計算になります。

17項目の内訳は、以下のとおりです。

健康経営優良法人2027の選択項目17つ.jpg

①トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること

②定期健診受診率(受診率100%)

③受診勧奨の取り組み

④50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

⑤管理職または従業員に対する教育機会の設定

⑥ワークライフバランスの実現及び育児・介護の両立支援

⑦コミュニケーションの促進

⑧がん等の私病等に関する復職・両立支援

⑨女性の健康保持・増進

⑩高年齢従業員の健康や体力の状況に応じた取り組み

⑪保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供

⑫食生活の改善

⑬運動機会の増進

⑭長時間労働の予防と事後対応

⑮心の健康保持・増進

⑯感染症予防

⑰喫煙率低下に向けた取り組み

選択項目の多くには「特に行っていない ⇒ 評価項目不適合」という選択肢があります。ただし、②は2025年度の定期健康診断受診率100.0%、⑭は予防策と長時間労働者への事後対応の双方を満たす必要があるなど、適合条件は項目ごとに異なります。確定版調査票で各条件を確認してください。

ホワイト500は①が必須化され②から⑰のうち14項目

ホワイト500を目指す場合、選択項目の考え方が変わります。①トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいることが必須となり、残る②から⑰のうち14項目以上の適合が必要です。落とせるのは2項目までとなり、大規模法人部門の一般枠より1項目分厳しくなります。

さらにホワイト500では、前述のQ20・Q21とQ30・Q31が要件に組み込まれます。自社の従業員に対する施策だけでなく、派遣社員や家族、グループ会社、取引先まで範囲が広がる点が特徴です。

もう1つ見落とせないのが、評価結果等の一括開示への同意(Q6)です。開示可を選ばなかった場合、評価結果が500位以内であってもホワイト500ではない優良法人認定にとどまります。フィードバック送付後の回答変更は受け付けられないため、開示の可否は申請前に社内で確認しておく必要があります。

参考:ACTION!健康経営 健康経営優良法人2027(大規模法人部門)認定要件

不認定に直結する必須要件「産業医・保健師の関与」

不認定に直結する必須要件「産業医・保健師の関与」.jpg

「産業医・保健師の関与」は選択項目ではなく必須項目で、該当設問Q26で「特に関与していない」を選ぶと不認定です。産業医の選任や法定業務の実施だけでは、この要件への適合を示せません。施策の数で補える項目でもないため、申請作業に入る前の確認が欠かせません。

大規模法人部門の必須項目のうち、産業保健の体制に直接かかわるのが当該項目です。

ほかの必須項目が開示や会議体、推進計画といった管理面の整備を問うのに対し、「産業医・保健師の関与」は産業医または保健師が実際に何をしているかを問います。

まず確認すること|Q26で「特に関与していない」を選ぶと不認定になる

Q26は「健康経営の方針検討や施策の実施にあたって、産業医または保健師はどのように関与していますか」という設問で、複数選択が可能です。

選択肢は以下のように10個あります。

産業医・保健師の関与として評価される8つの型を方針検討と施策の実施に分けて示した図.jpg

選択肢10には「特に関与していない ⇒ 健康経営優良法人不認定」と明記されています。

評価項目不適合ではなく、不認定です。選択項目であれば1項目落としても14項目を確保できますが、当該設問は必須項目であるため、ここで該当なしとなった時点で認定の可能性がなくなります。

配点の対象となるのは、Q26の選択肢1から8までの8つです。まずは自社の産業医・保健師の稼働が、この8つのいずれかに該当するかを確認します。

一方、選択肢9の「その他」は配点の対象外ですが、審査の対象から外れるわけではありません。

確定版のQ&Aには「『その他』のみ実施されている場合は、認定要件適合書上『△』を付した状態でフィードバックシートをお返しすることがあります。認定審査において記述内容が適合要件を満たしているかを判断させていただきます」と記載されています。同じQ&Aには「その他欄に記載された内容については配点は行いません」ともあり、配点はされないものの、個別審査で適合と判断される可能性は残るという位置づけです。

つまり適合を示す経路は、選択肢1から8に該当する関与か、個別審査の対象となる先進的な「その他」の取り組みのいずれかになります。どの選択肢にも当てはまらない先進的な取り組みがあれば記入する価値がありますが、法令上の義務を「9.その他」に記入しても適合とはなりません。

誤解しやすい点|産業医の選任と法定業務だけでは、Q26への適合を示せない

Q26には次の但し書きが付いています。

「◆法律で義務とされている内容を「9.その他」で回答されても、認定要件には適合しません。」

労働安全衛生法上、常時50人以上の労働者を使用する事業場には産業医の選任義務があります。

産業医の職務は労働安全衛生規則第14条第1項に列挙されており、健康診断の実施およびその結果に基づく健康保持のための措置、面接指導やストレスチェックに関すること、作業環境の維持管理などが含まれます。職場巡視は原則として毎月1回ですが、所定の情報を毎月提供されており事業者の同意がある場合は2か月に1回とすることが認められています(同規則第15条)。衛生委員会については、事業者が産業医のうちから委員を指名する制度であり(労働安全衛生法第18条)、選任している産業医全員が毎回出席する義務があるわけではありません。

これらは法令上の義務であるため、「9.その他」に法令の履行内容だけを書いても適合とはなりません。

ここで押さえておきたいのが、産業医と事業者の役割分担です。健康診断で異常の所見が認められた労働者への対応は、事業者が医師の意見を聴き(労働安全衛生法第66条の4)、その意見を勘案して就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を講じる(同法第66条の5)という順序で進みます。

就業上の措置を決めるのは事業者であり、産業医は医学的見地から意見を述べる立場です。

つまり当該要件は、産業医がいるかどうかではなく、産業医または保健師が健康経営の方針検討や施策の実施に関与しているかどうかを問うものです。法令遵守は必須項目の5.法令遵守・リスクマネジメントで別途確認されており、Q26で適合を示すには、選択肢1から8に該当する関与か、個別審査の対象となる「その他」の取り組みが必要になります。

産業医の紹介やコンサルティングの現場では、月1回の訪問において、健康経営上の稼働が健診の事後措置や衛生委員会対応に偏っているケースもあります。職場巡視等の法定職務を適切に行っていても、Q26で選べる選択肢が限られる場合があります。回答の前に、産業医と保健師が実際に何をしているかを洗い出しておくと確実です。

▼関連記事はコチラ産業医とは?3つの役割と7つの職務内容、選任義務、選び方を解説

参考:e-Gov法令検索 労働安全衛生法

評価される関与①方針検討|健康課題の協議・中長期方針の共同策定・効果検証

方針検討に関する選択肢は次の3つです。

・自社の従業員の健康課題について健康経営推進担当者と協議している

・健康経営施策の中長期的な方針を健康経営推進担当者と共同で策定している

・健康経営施策の効果検証を健康経営推進担当者と共同で行っている

いずれも「健康経営推進担当者と」という条件が共通しています。産業医が単独で意見を述べるのではなく、人事や健康経営の担当者と共同で作業していることが問われます。

3つの選択肢は、協議→共同策定→共同での効果検証という順で関与の深さが上がる構造です。健康課題の協議までは実施していても、中長期方針の策定や効果検証には産業医が入っていない、というケースもあります。

年間の産業医稼働の一部を方針検討に配分するには、契約内容の見直しが前提になります。

評価される関与②施策の実施|全事業場の管轄から経営会議での報告まで

施策の実施に関する選択肢は次の5つです。

・産業医または保健師が50人未満の事業場も含め全事業場を管轄し、従業員の健康を管理している

・現場の労働者からの情報収集等の役割を具体化・明確化し、円滑な実施を可能にしている

・健康経営推進担当者と共同で、具体的な施策の企画を行っている

・産業医または保健師が健康経営推進担当者と共に健康経営施策を推進している

・産業医または保健師が経営会議に参加し、健康経営施策の結果を報告している

1つ目の選択肢は、大規模法人にとって現実的な検討対象になります。支社や営業所が50人未満であれば産業医の選任義務はありませんが、そうした拠点まで含めて産業医または保健師が管轄している状態であれば、当該選択肢に該当します。

最後の選択肢は、産業医または保健師が経営会議に参加して結果を報告することを求めています。経営レベルの会議での議題・決定(Q23)はホワイト500の必須要件でもあるため、その会議に産業医・保健師の報告の場を組み込む設計が考えられます。

ただし同じ会議で扱う場合も、Q23の議題化と意思決定、Q26の産業保健職による結果報告は、それぞれ実施する必要があります。会議体を共通化できても、求められる中身が1つにまとまるわけではありません。

▼関連記事はコチラ産業保健師とは?産業医との違いや仕事内容、導入のメリットを解説

あわせて問われること|Q25の従事日数で関与の実態を裏づける

Q26の直前にあるQ25では、産業医と保健師それぞれの従事者人数と1カ月の延べ従事日数を記入します。関与の内容だけでなく、稼働量も数字で申告する構造です。

算出には次のルールが設けられています。

・契約形態(雇用・委託)にかかわらず記入する

・延べ従事日数は4週28日(週5勤務ならば20日)を基準に回答する

・1日の契約時間が所定労働時間に満たない場合は、8時間で1日に換算する(小数点以下切り上げ)

・専門職であっても健康経営の推進に関わっていない者は除く

最後のルールに注意が必要です。社内診療所や社員食堂に勤務しているものの健康経営の推進には関与していない場合、その専門職は従事者から除外されます。

産業保健の専門職を数多く抱えていても、健康経営に関与していなければ数字には反映されません。

Q25では産業医・保健師以外の専門職の有無も確認されます。選択肢には以下が含まれています。

・産業医でない医師

・看護師

・精神保健福祉士

・公認心理師・臨床心理士

・理学療法士

・管理栄養士

・歯科医師

・歯科衛生士

自社の産業保健体制を棚卸しする機会としても使える設問です。

参考:ACTION!健康経営 健康経営優良法人2027(大規模法人部門)健康経営度調査票

健康経営優良法人の申請で不備になりやすい要件

健康経営優良法人の申請不備がないかチェックする人事労務担当者.jpg

不備は施策の有無ではなく、実施を裏づける記録や測定が欠けている場合に生じます。特に長時間労働の事後対応と、教育機会・保健指導の参加率測定は条件を読み違えやすい項目です。

設問文の但し書きまで読んで判断する必要があります。

不備①長時間労働の事後対応|法令どおりの面接指導では評価されない

選択項目⑭は、労働時間の適正化(a)と一定の基準を超えた長時間労働者への対応(b)の2つに分かれ、大規模法人部門では両方の適合が必要です。それぞれに「特に行っていない ⇒ 評価項目不適合」の選択肢が置かれています。

事後対応(b)で見落とされやすいのが、面接指導の基準です。選択肢の1つ目は「法令を超える基準による、本人に対する医師(産業医を含む)の面接・指導を行っている」で、注記として「※労働時間を条件としない、本人の申し出のみによる面接・指導は対象外」と付されています。

さらに設問の下部には、法令を超える基準の定義が示されています。

「※「時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超える労働者であって、申出を行ったものへの医師による面接指導」が法令上の義務になり、「80時間未満」または「申出無しの実施」が法令を超える基準になります。」

一般の労働者に対する法定義務は3つの要件で構成されます。時間外・休日労働が月80時間を超えていること、疲労の蓄積が認められること、そして本人の申出があることです(労働安全衛生規則第52条の2第1項・第52条の3第1項)。この3要件どおりに実施しているだけでは、選択肢の1つ目には該当しません。

選択肢の1つ目を選ぶには、法令の水準を上回る運用が必要です。面接・指導を行うのは「医師(産業医を含む)」とされており、産業医に限られません。

なお事後対応(b)の適合経路は選択肢の1つ目だけではありません。医師でない健康経営担当者と本人の面談、本人の上長に対する健康経営担当者からの面談・指導、本人への時間外労働の制限を一律に行うことも選択肢として用意されており、いずれかを実施していれば評価項目に適合します。医師による面接指導の基準を下げられない場合は、これらの経路を検討する余地があります。

注意したいのは研究開発業務の扱いです。新技術・新商品等の研究開発業務に従事する労働者については、時間外・休日労働が月100時間を超えた場合に、申出の有無を問わず面接指導を行うことが事業者の義務とされています(労働安全衛生法第66条の8の2、労働安全衛生規則第52条の7の2)。研究開発従事者に対して月100時間超・申出なしの面接指導を行っているだけでは、法令どおりの実施にとどまります。

法令を超える基準として示せるのは、たとえば次のような運用です。

・研究開発従事者について、100時間以下の基準でも申出なしで面接指導の対象とする

・一般の労働者にも、申出の有無を問わない面接指導を広げる

・面接指導の基準そのものを80時間未満に下げる

自社の運用がどの部分で法令の水準を上回っているかを確認してください。基準を下げる場合は対象者が増えるため、担当する医師の稼働時間の確保も併せて検討が必要です。

なお設問には「◆期間中に長時間労働者がいない場合でも、具体的な対応策を予め策定していることをもって適合とします」という但し書きがあります。対象者が発生していない法人でも、対応策を定めておけば適合と扱われます。

参考:e-Gov法令検索 労働安全衛生規則

▼関連記事はコチラ長時間労働者への医師による面接指導とは?流れや改正内容について解説

不備②教育機会と保健指導|選ぶルートによって参加率の測定が条件になる

選択項目のうち2つには、特定の取り組みで適合を示す場合に限り、実施の有無に加えて参加率の算出が条件として付いています。

⑤管理職または従業員に対する教育機会の設定には「※「従業員の健康保持・増進に関する教育」については参加率(実施率)を測っていること」、⑪保健指導の実施及び特定保健指導実施機会の提供に関する取り組みには「※「生活習慣病予備群者への特定保健指導以外の保健指導」については参加率(実施率)を測っていること」という条件が示されています。

⑤で注意したいのは、参加率の測定が条件として付くのは「従業員の健康保持・増進に関する教育」のルートで適合を示す場合だという点です。⑤は管理職への教育機会の設定でも適合を示せる評価項目であり、どのルートを選ぶかで参加率の必要性が変わります。従業員教育で適合を狙うのであれば参加率の測定が前提になるため、どちらのルートで示すかを先に決めておくと確認がぶれません。

従業員教育のルートで適合を示すつもりで研修を開催していても参加率を集計していない、保健指導を実施していても対象者に対する実施率を追っていないという状態では、条件を満たしません。

参加率は事後に遡って集計するのが難しい項目であるため、期間中の記録体制が問われます。

不備③支社・営業所のストレスチェック|50人未満の拠点が抜け落ちやすい

選択項目④は「50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施」です。2026年8月現在、労働安全衛生法上の実施義務は常時50人以上の労働者を使用する事業場に課され、50人未満の事業場は努力義務です。認定要件の上でも必須項目ではなく、17ある選択項目のひとつという位置づけです。

そのため本社や主要工場では実施していても、支社や営業所など50人未満の拠点は運用の対象から外れている場合があります。拠点数が多いほど確認の手間がかかる項目です。

ただし、当該項目への対応は認定要件のためだけの作業ではありません。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、2028年4月1日からは労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが法的義務となります。認定要件④への対応は、この施行に向けた先回りとしても意味があります。

参考:厚生労働省 ストレスチェック制度

▼関連記事はコチラ【ストレスチェック】50人未満でも義務化?産業医と進める義務化に向けた準備

不備④申請作業の着手時期|締切延長がないため逆算が必要

締切の延長が行われないことは、申請作業のスケジュールに直接影響します。10月9日17時という締切から逆算すると、確認が必要な項目のうち社外との調整を要するものを先に着手する必要があります。

社外との調整が必要になるのは、以下の3項目です。

・産業医・保健師の関与(Q26)

・健保組合等保険者との協議・連携

・支社・営業所でのストレスチェックの実施体制

いずれも自社の判断だけでは完結しません。産業医との契約内容の見直しが必要な場合、契約更新の時期とずれると調整に時間がかかります。

一方、開示媒体の整理や参加率の集計は社内で完結する作業です。社外との調整を先行させ、社内作業を後半に回す配分が現実的でしょう。

申請の負担を軽くする外部リソースの使い分け

健康経営優良法人の申請で自社が担う範囲と外部に委託する範囲の切り分け図.jpg

健康経営優良法人の認定支援やコンサルティングを担う事業者を公表する仕組みとして、健康経営コンサルティング自己宣言制度があります。自己宣言企業のリストが公式ポータルで公開されています。事業者自身が定められた要件の遵守を宣言する仕組みなので、候補を絞る出発点として使えます。

ただしQ26「産業医・保健師の関与」のように関与の事実そのものが問われる要件は、支援を受けても外部化できません。

支援事業者の探し方|健康経営コンサルティング自己宣言企業のリストが公開されている

健康経営コンサルティング自己宣言制度は、健康経営コンサルティング事業者が自ら、提供するサービスの質を担保することを自己宣言する制度です。自己宣言した企業のリストは、ACTION!健康経営のポータルサイトでExcelファイルとして公開されています。

自己宣言は年度更新の制度で、リストも随時更新されています。2026年8月4日時点の版が公開されており、掲載されている事業者はその年度の宣言を済ませていることになります。

過去に一度宣言しただけの事業者が残り続けるリストではないため、鮮度の高い候補リストとして使えます。

参考:ACTION!健康経営 健康経営コンサルティング自己宣言企業

リストの読み方|自己宣言はサービスの質を認定する制度ではない

リストを使う際に押さえておきたいのが、この制度が何を保証しているかです。

公式ポータルには「本自己宣言は、健康経営優良法人認定事務局(日本経済新聞社)及び健康経営コンサルティング自己宣言事務局が、健康経営コンサルティングのサービスの質を認定するものではありません」と明記されています。事務局が個々の支援内容を保証する仕組みではありません。

ただし宣言そのものは空手形ではありません。2025年度からは、自己宣言する事業者自身も健康経営に取り組み、最新年度の健康経営優良法人に認定されていることが要件に加わりました。

健康経営を自社で実践している事業者に絞り込むという意味で、リストは有効な出発点になります。そのうえで支援範囲と体制を個別に確認するのが実務的な進め方です。

支援の範囲|検査代行やアプリ提供だけの事業者は自己宣言の対象外

自己宣言制度には適用範囲の線引きがあります。「施策の一部のみを支援する事業者」は対象外とされ、具体例として以下の4つが挙げられています。

・健診データ管理

・歩数計提供

・定期健診・ストレスチェック代行

・運動アプリ提供 など

つまり、健康経営の構成要素の一部を提供する事業者は、有用であっても同制度の枠組みには含まれません。

そのため、自社が求めているのが個別施策のツールであれば、自己宣言企業から探すのは得策ではありません。

自社が求めるのが健康経営全体のサポートか個別施策のツールかを整理してから探すと、選定の手戻りが減ります。

申請支援だけでは満たせない|雇用・委託を問わず、産業医・保健師本人の実質的関与が必要

外部リソースを使う際に線引きが必要なのが、Q26の要件です。コンサルティングの支援によって、戦略マップの作成方法、推進計画の立て方、調査票の回答の整理、効果検証の設計は進められます。しかしQ26が問うのは「産業医または保健師が健康経営推進担当者と協議している」「共同で策定している」といった事実そのものです。

ここで誤解が生じやすいのが、契約形態との関係です。Q25には「契約形態(雇用・委託)にかかわらずご記入ください」と明記されており、委託契約の産業医・保健師であってもQ26の対象になります。問われているのは雇用か委託かではなく、産業医・保健師本人が方針検討や施策の実施に実際に関与しているかどうかです。

一方で、申請支援を担う事業者が産業医・保健師の代わりに協議することはできません。書類の整備を外部に任せられても、産業医・保健師本人の関与そのものは代替できないという構造です。

同じことは必須項目の「健康経営推進に関する経営レベルの会議での議題・決定」にも当てはまります。会議体の設計は支援を受けられますが、経営レベルの会議で健康経営が議題として扱われ決定されるという事実は、自社の運営の中でしか生まれません。

判断軸|申請作業は外部に、関与の実体は自社の産業保健体制で

以上を踏まえると、切り分けの判断軸は明確になります。

外部支援を活用できる領域 自社の産業保健体制が必要な領域
● 書類の整備
● 認定要件の読み解き
● 回答の整理
● 効果検証の設計
● 産業医・保健師の関与
● 経営会議での議題化
● 支社・営業所を含む実施体制

サービスによっては、コンサルティングと産業医・保健師の紹介を併せて提供している事業者もあります。支援の設計と産業保健職の稼働を同じ窓口で確保できれば、Q26への対応と申請作業を別々に進める必要がなくなります。

たとえば健康課題の分析を支援事業者に依頼し、その分析結果をもとに産業医と健康経営推進担当者が中長期方針を共同で策定すれば、Q26の選択肢2「健康経営施策の中長期的な方針を健康経営推進担当者と共同で策定している」に該当します。

産業医に意見を聞くだけでは足りず、健康経営推進担当者と共同で策定した実績が必要です。分析だけを外注して産業医に共有しないままだと、書類は整っても関与の実績は生まれません。

自社の産業医の契約内容が方針検討まで含んでいない場合は、支援事業者の選定と並行して契約の見直しを検討する価値があるでしょう。

参考:ACTION!健康経営 大規模法人部門の申請

健康経営優良法人2027についてよくある質問

健康経営優良法人2027の申請に関するよくある質問.jpg

申請の準備段階で相談の多い論点を整理しました。

Q.健康経営優良法人2027の申請はいつまでですか。

A.大規模法人部門は2026年8月17日から10月9日17時まで、中小規模法人部門は同じく8月17日から10月16日17時までです。

どちらの部門も期日以降の提出は受け付けられません。大規模法人部門については、締切の延長を行わないことが調査票に明記されています。

初回申請の場合は申請用IDの取得期限が別に設けられており、大規模法人部門は10月8日まで、中小規模法人部門は10月15日までです。認定発表は2027年3月です。

Q.産業医を選任していれば「産業医・保健師の関与」の要件は満たせますか。

A.選任だけでは満たせません。該当設問Q26には「法律で義務とされている内容を「9.その他」で回答されても、認定要件には適合しません」と明記されています。健康診断結果に基づく措置に関することや職場巡視は、労働安全衛生規則が定める産業医の職務です。一方、衛生委員会は、労働安全衛生法第18条第2項第3号により、事業者が産業医のうちから委員を指名する制度であり、選任している産業医全員に毎回の出席義務があるわけではありません。こうした法令上求められる対応だけを「9.その他」に記載しても、Q26の認定要件には適合しません。

適合を示すには、Q26の選択肢1から8に該当する関与、または個別審査の対象となる先進的な「その他」の取り組みが必要です。具体的には、健康課題の協議、中長期方針の共同策定、経営会議での結果報告などが選択肢1から8に含まれます。

Q.委託契約の産業医でも認定要件を満たせますか。

A.満たせます。Q25には「契約形態(雇用・委託)にかかわらずご記入ください」と記載されており、委託契約の産業医・保健師も対象です。判断されるのは契約形態ではなく関与の内容であるため、月1回の訪問であっても方針検討や施策の企画に加わっていればQ26の選択肢に該当します。逆に常勤であっても健康経営の推進に関与していなければ、Q25の従事者から除外されます。

Q.支社や営業所が50人未満の場合、ストレスチェックは必要ですか。

A.2026年8月現在、労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックは努力義務です。認定要件の上でも選択項目④という位置づけで、必須項目ではありません。ただし「50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施」が選択項目として設けられているため、選択項目の1つとして確保する意味があります。

加えて厚生労働省は、令和10年(2028年)4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されると公表しています。認定要件への対応が法改正への準備にもなります。

Q.健康経営コンサルティングに依頼すれば認定されますか。

A.書類の整備や要件の読み解きは支援を受けられますが、認定が保証されるものではありません。健康経営コンサルティング自己宣言制度についても、公式ポータルに「健康経営コンサルティングのサービスの質を認定するものではありません」と明記されています。

またQ26のように産業医・保健師の関与という事実そのものを問う要件は、支援によって代替できません。

まとめ

健康経営優良法人2027の申請で押さえるべき要点を整理します。

大規模法人部門の申請受付は2026年8月17日から10月9日17時までで、締切の延長は行われない

2027年版ではホワイト500の要件が再編され、長時間労働は予防と事後対応の両方が必要になる

認定要件は必須項目と「①から⑰のうち14項目以上」の選択項目に分かれ、必須項目を1つ落とすと選択項目を満たしても認定されない

必須項目の「産業医・保健師の関与」は、該当設問Q26で「特に関与していない」を選ぶと不認定となり、産業医の選任や法定業務の実施だけでは適合を示せない

支社・営業所でのストレスチェックは選択項目④で、現在は努力義務。2028年4月1日から法的義務になる

制度の要件は年々細かくなっています。前年に認定を取得している法人でも、社外調整や契約見直しを要する場合は間に合うとは限りません。変更点と必須項目を早期に点検してください。

確認の優先順位をつけるとすれば、社外との調整が必要な項目から先に手をつけることがおすすめです。とりわけ産業医・保健師の関与は、契約内容の見直しを伴う場合に時間がかかる項目です。自社の産業医が健康課題の協議や方針の策定に加わる体制になっているか、締切から逆算して早めに確認しておくと安心でしょう。

現在の契約が健診の事後措置と衛生委員会への出席にとどまっている場合、健康経営の方針検討まで関与できる産業医を探す、あるいは既存の契約内容を見直すという選択肢があります。

ワーカーズドクターズは、産業医・産業保健師の紹介と健康経営コンサルティングの両方を提供しています。コンサルティングでは、産業保健業務に精通した健康経営エキスパートアドバイザーが健康経営施策の検討から実行、効果分析までを一社ごとに設計し、弊社の顧問産業医と産業保健師とともに継続的に伴走します。認定要件の充足を前提とした産業医の稼働設計についても、お気軽にご相談ください。

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公開日: 2026.09.24
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