ストレスチェックの義務化とは?実施方法や罰則も詳しく解説

2021年08月16日

ストレスチェックの確認を行なっている管理職

2015年12月から、労働者数50人以上の事業場を対象として「ストレスチェック制度」が法的に義務付けられました。「法的な義務」と言われると理解への難易度が高そうな気もします。

この記事では、ストレスチェックの概要を中心に、実施方法や、企業がストレスチェックを実施しない際の注意点についてわかりやすくご紹介します。

ストレスチェックとは

ストレスチェックを実施する担当者

ストレスチェックとは、事業者が労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的として行う、簡易的なストレス度検査です。調査票の質問項目に答えるだけで、労働者は自分の潜在的なストレスを「見える化」できます。

一方、雇用主である事業者は、分析結果から高ストレスの労働者を抽出し、労働者のストレス軽減に努めることで、ストレスの進行を未然に阻止するとともに職場環境や労働環境の改善を図らなくてはなりません。

ストレスチェックの義務化の内容

厚生労働省の「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」によると、ストレスチェックは、「医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担を把握するための検査」と定義され、2015年12月から労働者数50人以上の事業場を対象に検査が義務化されました(労働安全衛生法第66条の10)。※労働者数50人未満の事業場は努力義務。

また、「1年ごとに1回、定期に」①心理的な負担の原因②心理的な負担による心身の自覚症状③他の労働者による当該労働者への支援の3項目について検査を行わなくてはならない、とされています(労働安全衛生規則第52条の9)。

さらに検査結果についても、労働者数50人以上の事業場は1年に1度、所轄の労働基準監督署に報告書の提出義務があります(労働安全衛生規則第52条の21)。

なお、同法では、検査で抽出された高ストレス者から申出があった場合、医師による面接指導を実施するのも事業者の義務としています(労働安全衛生法第66条の10)。

ストレスチェックの対象者と実施者

授業員のミーティング風景

ストレスチェック対象者

常時50人以上の労働者を擁する企業においては、契約社員・アルバイト・パートを含む全従業員がストレスチェックの対象者となります。アルバイト・パートの場合は、1週間の労働時間が正社員の1週間の労働時間数の4分の3以上働いていることが条件です。ただし、社長や役員、契約期間が1年未満、休職期間が1カ月以上の従業員はストレスチェックの対象外となっています。

なお、派遣社員については、原則的に派遣元で行いますが、ストレスチェックの結果は職場単位で実施する必要性から、派遣先でも実施するのが望ましいとされています。また補足として、ストレスチェックは強制ではないため、対象者は拒否も可能です(厚生労働省「ストレスチェック制度導入ガイド」)。

ストレスチェック実施者

ストレスチェックを実施する者を「ストレスチェック実施者」と言います。医師、保健師のほか、厚生労働省による研修を修めた看護師、精神保健福祉士などの有資格者も実施者になれます。なお、医師、保健師は外部機関への委託や企業の産業医、産業保健師を選任しても問題ありません。

ストレスチェックの内容と高ストレス者の判定

ストレスチェックの対象者と実施者を把握できたら、次にストレスチェックの実施内容と高ストレス者の判定について解説していきます。

ストレスチェックの内容

ストレスチェックで使用する調査票には、「ストレスの原因に関する項目」「ストレスによる心身の自覚症状に関する項目」「労働者に対する周囲のサポートに関する項目」の3領域の質問が最低限含まれている必要があります。上記項目が含まれていれば、事業者がオリジナルの調査票を作成しても問題ありません。

高ストレス者の判定

ストレスチェックの結果により高ストレス者をピックアップしますが、厚生労働省の「労働安全衛生法に基づくストレスチェックマニュアル」に記載の「全体の(上位)10%程度」というのがひとつの指標となっています。※ストレスチェックでは、結果の合計点数で高ストレス者を選定する方法が取り入れられています。

ストレスチェックで高ストレス者と診断された労働者が医師の面接指導を希望する場合は、面接指導が実施されます。面接後、事業者は医師からその内容をヒアリングし、適切な対応を行います。また、ストレスチェックの結果と報告書を作成し、労働基準監督署に提出する義務があります。

なお面接指導は、本人が希望しない場合は実施されません。

ストレスチェックを実施しなかった場合の罰則

労働者50人以上の事業場では法律で義務化されているストレスチェックですが、実は、検査を実施しなくても特に法的に罰せられはしません。ただしストレスチェックを実施しなかった場合、事業者は安全配慮義務(労働者が健康で安全に働ける配慮)違反に当たるとして、労働契約法の違反となります。当法も違反した際の罰則はありませんが、労働者の健康を守る義務を怠ったとして損害賠償に発展する恐れがあるので注意が必要です。

一方、ストレスチェックを実施しても労働基準監督署に未報告、あるいは虚偽の報告をした場合、労働安全衛生法100条の違反に当たり、50万円以下の罰金を支払わなければいけません。

ストレスチェックのおすすめサービス

ストレスチェックを受検している様子

ストレスチェックは、自社の産業医や保健師のほか、ストレスチェックの専門会社にお願いする手段もあります。長年のノウハウを培っているプロなので、実施前の相談はもちろん、実施後のアフターケアなど充実のサービス内容となっています。ここではストレスチェックのおすすめサービスをご紹介します。

(株)HRデータラボ 「STRESSCHECKER」

 「STRESSCHECKER」は、官公庁をはじめ、従業員1万人以上の上場企業、テレビ局や航空会社、大学など3,000社が導入している日本最大級のストレスチェック業者です。1人あたり、0円の無料プラン、250円のWEB代行プラン、450円の紙プランと3つのプランを用意し、オプションサービスではお寺のお坊さんに人生や人間関係を相談できる「お寺で相談の窓口(無料)」のようなユニークなサービスも用意されています。

STRESSCHECKERについての詳細はこちら

 (株)情報基盤開発 「Alt Paper」

店舗・工場・病院など、パソコンが少ない職場におすすめなのが「Alt Paper」です。手書きのアンケート用紙をデータ化し、高速で分析する東大発の自動処理技術を採用しており、最短2週間での納品を可能にしています。自社ですべての工程をワンストップで請け負うため、スピーディーで安くサービスの提供を可能にしています。紙版60人まで49,800円~、WEB版は1人230円(いずれも質問事項は57項目)となっています。

Alt Paperについての詳細はこちら

(株)ラフール 「ラフールサーベイ」

「個人が変われば、組織が変わる。」をコンセプトとした組織改善サーベイが「ラフールサーベイ」です。「組織」と「従業員」の観点から改善を図っていくのが大きな特徴です。分析結果に対する課題解決ヒント自動表示や対策サービスが充実しているため対策立案がしやすく、担当者の工数を削減します。月額400円×従業員数のシンプルな料金形態も好評です。

ラフールサーベイについての詳細はこちら

(株)ミーデン

ミーデンは、人と職場のメンタルヘルスを支援するために、こころのスペシャリストたち(公認心理師、臨床心理士、精神科医、産業カウンセラー)が協働で設立した企業です。精神科クリニックを母体とし、本人の結果通知から報告書の作成まで、ストレッチチェックに必要な業務をプロのノウハウで一元サポートするほか、手厚いアフターフォロー体制も備えています。料金は紙版・WEB版どちらでも1人500円とリーズナブルで、産業医を紹介するサービスも無料で行っています。

ミーデンについての詳細はこちら

まとめ

ストレスチェックは、50人以上の労働者を抱える企業に実施が義務付けられている法的な縛りです。ストレスチェックを実施することで、労働者の精神的な不調の未然防止のほか、職場環境の改善にもつながります。

現在50人以下の企業であっても、今後事業を拡大してストレスチェックの山に立ちはだかることもあるかもしれません。そうした時に備えて、心の準備を進めておきましょう。

なお、平成27年度より厚生労働省から、従業員が50人未満の事業場に対してストレスチェック助成金の給付が始まっています。1労働者あたり500円を上限として実費を支給してくれるので、従業員が50人未満の事業所も積極的にストレスチェックを実施されてはいかがでしょうか。

合わせて読みたい記事はこちら

オンラインによる産業医面談 その留意点とは?

従業員50人未満の事業場には顧問医を!