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ストレスチェックで高ストレス者が発覚したらどうすればいい?判定の基準や面談について解説

  • 産業保健
更新日: 2024.04.23
ストレスチェックで高ストレス者が発覚したらどうすればいい?判定の基準や面談について解説
この記事を書いた人:ワーカーズドクターズ編集部

産業保健に関する情報を幅広く発信。産業医業界で10年以上、約1,250ヶ所の事業場の産業保健業務サポートをしているワーカーズドクターズだからこその基礎知識や最新の業界動向など、企業様の産業保健活動に役立つ情報をお届けします。

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従業員の心身の状態を確認するために行われるストレスチェック。チェックの結果、高ストレス者と判定される人は、10%以上いるといわれています。高ストレス者に対する医師による面接指導は、強制ではなく、本人の申し出によって行われますが、企業は面接指導を受けやすい環境をつくることが大切です。今回は、高ストレス者の判定の基準や面接指導の流れなどについて解説します。

ストレスチェックの高ストレス者とは

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ストレスチェックとは、従業員がどれくらいストレスを抱えているか測定するための検査であり、常時50人以上の従業員がいる事業場では年に1回の実施が義務化されています。
ストレスチェックでは、測定の結果、心身のストレスの負荷が高い場合に「高ストレス者」と判定される場合があります。

▼関連記事はコチラ
ストレスチェックの義務化とは?概要や手順、罰則について解説

高ストレス者の割合

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それでは実際に、どのような人が高ストレス者と判定されることが多いのでしょうか。令和4年のストレスチェックに関する調査報告の結果、男女別では、男性16.6%、女性12.4%と、女性と比べて男性のほうが高ストレスと判定された人の割合が高いことがわかっています。また、年代の比較では、30歳代、40歳代が全体平均よりも高ストレス者の割合が高く、10歳代や60歳代以上では低いことが明らかになりました。

調査報告では、上司・同僚のサポートに関してストレスを抱えている割合が高いことが分かっており、高ストレス者を生まない職場づくりでは、上司・同僚のサポートが重要になることが考えられます。

▼参考サイトはコチラ
公益社団法人 全国労働衛生団体連合会・メンタルヘルス専門委員会「令和4年全衛連ストレスチェックサービス実施結果報告書​​」

ストレスチェックでの高ストレス者の判定基準

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高ストレス者と判定する基準は主に2つです。1つ目は、事業者が衛生委員会での調査審議や実施者の意見をもとに決定する基準で、企業独自の質問票を策定する場合に効果的でしょう。2つ目は、厚生労働省の「職業性ストレスチェック簡易調査票」に基づく項目を使用した基準です。

「職業性ストレスチェック簡易調査票」に基づく「心身のストレス反応」「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」という3つの項目を使用する場合、「心身のストレス反応」の数値が高い、あるいは、「心身のストレス反応」の評価点数の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」および「周囲のサポート」の評価点数の合計が著しく高い場合に高ストレス者と判定されます。また、上記に当てはまらない場合であっても、医師や保健師の判断で高ストレス者と判断されることもあります。

▼参考サイトはコチラ
厚生労働省:数値基準に基づいて「高ストレス者」を選定する方法

高ストレス者に対する面接指導とは

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高ストレス者と判定された場合は、医師による面接指導を行います。ただし、強制ではなく、本人の希望があった場合に実施する必要があります。

高ストレス者への面接指導の流れ

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どのような流れで面接指導を行えばよいのか、実施までの流れを解説します。

本人の申し出による面接指導の実施

ストレスチェックの結果が出たら、高ストレス者に対し実施者から面接指導申し出の勧奨を行います。そこから高ストレス者の申し出があり次第、1か月以内に面接指導を実施します。

高ストレスと判定された人たちへ、面接指導の申し出を行うよう勧奨することに加えて、オンラインでの実施の検討や、周囲の人たちへ高ストレス者だと知られないようにする配慮など、面接指導を受けやすい環境を整えることが大切です。

就業環境の整備

企業は面談を受け持った医師の意見をもらい、高ストレス者への対処を検討する必要があります。医師の意見を参考に、ストレスの原因を探りながら、ストレス軽減のために就業上の措置を講じることが大切です。

労働基準監督署への報告

年に1回、労働基準監督署へストレスチェックの実施結果を報告する必要があります。複数回ストレスチェックを行った場合には、その中の1回分を報告しましょう。

もしも報告しなかった場合は、労働安全衛生法第120条に則り、50万円以下の罰則金の支払いが義務づけられているため注意が必要です。

高ストレス者への面談を実施しないデメリット

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高ストレス者に対する面接指導を実施しないと、デメリットとしてパフォーマンス低下や安全配慮義務違反が生じる可能性があります。適切に実施するために、どのような対応が有効なのでしょうか。

面接指導を申し出やすくする取り組み

まずは、高ストレス者が面接指導の申し出をしやすくなるような取り組みが大切です。面接指導の申し出は義務づけられていないため、職場の人たちに高ストレス者と知られることを恐れて申し出ないケースもあります。

事業主に面談の結果を通知したり、面談の結果が不当な扱いにつながったりすることがないことを事前に説明する​​など、高ストレス者と判定された従業員が、安心して面接指導を申し出ることができるような環境づくりが必要です。

例えば、ストレスチェックを実施する前に、経営者が会社のメンタルヘルス対策への取り組みや思いを従業員へ説明したり、説明会を実施し面接指導を行う医師(産業医)が自己紹介したりするなどの工夫があげられます。

面接指導を希望しない場合の対応

高ストレス者が面接指導を希望しない場合は、面接指導を希望しない理由をヒアリングするとともに、高ストレス状態を放置することでうつ病など精神疾患発症などのリスクを伝えることも有効でしょう。ただし、面談を強要したり、脅すようなことを言うのはNGです。また、かかりつけ医の受診や、外部のカウンセリングへの相談などほかの選択肢を提示することも大切だと考えられます。

まとめ|高ストレス者の申し出がしやすい環境を

職場における高ストレス者は、10%以上いるといわれており、とくに30〜40歳代の比率が高いことがわかっています。面接指導は本人の申し出によって行われるため、申し出がしやすい説明実施や環境を作ることが大切と言えるでしょう。また、ストレスチェックの結果を職場づくりに生かすことも重要です。

公開日: 2024.04.08
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