冬季うつに産業医はどう対応する?チェックリストや予防策を解説
- 産業保健
- この記事のポイント
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- ●冬季うつ(SAD:Seasonal Affective Disorder)は「怠け」ではなく、日照不足による生物学的な疾患であり、産業医による早期発見が重要です。
- ●令和3年(2021年)12月施行の照度基準改正を踏まえ、法適合かつメンタルヘルスに考慮したオフィス環境の整備が必要です。
- ●外国人労働者やテレワーク環境はリスクが高く、企業には従来の枠を超えた安全配慮義務が求められています。
「冬になると、なぜか社内の活気がなくなる気がする」
「特定の部下が、この時期になると遅刻やミスを繰り返す」
人事・労務担当者の方には、現場の季節的な変化に頭を悩ませることも多いのではないでしょうか?本人のやる気の問題と捉えて指導を行うと、かえって状況が悪化してしまうケースも少なくありません。
季節的な変化は、冬季うつ(季節性情動障害:SAD/Seasonal Affective Disorder)によるプレゼンティーズム(出勤しているが生産性が低下している状態)の可能性があります。
冬季うつは、医学的・環境的要因による疾患であり、適切な環境を整え、正しく管理すれば予防・改善が可能です。
本記事では、産業医の視点から見た冬季うつの症状や特徴、休職対応などの対応フロー、2021年の照度基準改正にもとづいたオフィス環境対策について詳しく解説します。
この記事を通して、法的リスクを回避しつつ、従業員が冬場でも元気に働ける組織づくりのヒントが得られれば幸いです。
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冬季うつ(季節性情動障害)とは?

冬季うつ(季節性情動障害:SAD/Seasonal Affective Disorder)とは、日照時間の減少により脳内の神経伝達物質であるセロトニン不足や概日リズムの乱れが生じることで発症する疾患です。
過眠や過食などの一般的なうつ病とは異なる症状がみられる点が特徴であり、産業医や管理職はそうした行動の変化に気づく必要があります。
以下は、一般的なうつ病と冬季うつの違い、およびそのメカニズムをまとめた表です。
| 項目 | 一般的なうつ病(定型) |
冬季うつ(SAD) |
| 睡眠 | 不眠・早朝覚醒 | 過眠(いくら寝ても眠い) |
| 食欲 | 食欲不振・体重減少 |
過食(炭水化物・甘いものを欲す) |
| 日内変動 | 朝がつらい、夕方に緩和する | 午前中の不調が顕著 |
| 原因 | ストレス等の心理社会的要因が主 | 日照不足による生物学的要因が主 |
冬季うつの一般的なうつ病との違いやメカニズムについて詳しくみていきましょう。
一般的なうつ病との違い(過眠・過食)
冬季うつの特徴は、一般的なうつ病のイメージとは逆の症状が見られることです。多くのうつ病では「眠れない」「食べられない」という症状があらわれますが、冬季うつでは「冬眠」のように身体の機能が低下します。
具体的には、以下のような過眠・過食がみられます。
過眠:夜しっかり寝ているはずなのに、昼間も強烈な眠気におそわれる
過食:チョコレートやパン、パスタなどの炭水化物を無性に食べたくなる
過眠・過食は外見上、「だらけている」「自己管理ができていない」と周りに誤解されやすいでしょう。管理職が「気合を入れろ」と叱責してしまうと、本人を追い詰め症状を悪化させてしまうおそれがあります。
医学的メカニズム(日照時間とセロトニン)
冬季うつの症状があらわれるのは、日照時間が短くなることが原因の一つです。
日光を浴びる時間が減ると、脳内で精神を安定させるセロトニンの分泌が低下します。同時に、睡眠に影響するメラトニンの分泌タイミングが後ろにずれる位相後退が起こります。
セロトニンやメラトニンの働きが変わることで、体内時計がズレてしまい、「毎日時差ボケ」のような状態に陥るのです。
「午前中にどうしても起きられない」「頭が働かない」という症状の正体は、脳のホルモンバランスによるものです。
産業医による早期発見とチェックリストの活用法

早期発見には、実施時期の季節性を考慮したストレスチェックの集団分析や、SAD(Seasonal Affective Disorder:季節性感情障害)専用のスクリーニングツールが有効です。
産業医面談においては、通常の問診項目に加え、睡眠時間や食欲の「季節による変動」が意図的に確認することが欠かせません。
冬季うつ病を早期発見するための方法と効果的なスクリーニングを行うためのポイントは以下の通りです。
| 方法 | ポイント | 期待できる効果 |
| ストレスチェック分析 | 実施時期(冬)と部署環境(窓の有無)の相関を見る | 環境要因によるリスク部署の特定 |
| SPAQ(質問紙) | 「季節ごとの気分の変化」を数値化 | SAD傾向者のあぶり出し |
| 疲労蓄積度チェック | 家族や周囲からの客観的視点を取り入れる | 本人の自覚がない不調の発見 |
それぞれの方法とポイントについて詳しく解説します。
季節性を考慮したストレスチェック
ストレスチェック制度は年1回の実施が義務付けられていますが、実施時期によって結果に偏りが生じることがあります。とくに冬場に実施した場合、SADの影響で高ストレス判定が増加する傾向があります。
単に「高ストレス者が多い」と判断するのではなく、該当部署の物理的な環境に原因がないかを検討しましょう。
たとえば、「窓のない閉鎖的な部屋」や「北向きで日当たりの悪いオフィス」などの環境は冬季うつの症状を引き起こす可能性があります。
環境要因との相関を確認することで、隠れたストレス要因を特定できます。
有効なスクリーニングツール(SPAQなど)
問診だけでは見逃されがちなSADを発見するため、SPAQ(Seasonal Pattern Assessment Questionnaire:季節性パターン評価質問紙)の活用が推奨されます。SPAQは「どの季節に調子が悪いか」「季節によって体重や睡眠時間がどれくらい変化するか」をチェックするもので、SADのスクリーニングに適しています。
また、労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストを併用することもおすすめです。本人だけでなく、「休日は一日中寝ている」といった家族から見た変化についてもヒアリングを行うとよいでしょう。
本人が「ただの疲れ」だと思いこんでいる症状を、客観的なデータとして拾い上げることが可能です。
【重要】安易な決めつけは禁物(鑑別疾患の除外)
過眠や倦怠感といった症状は、冬季うつ特有のものではなく、甲状腺機能低下症や睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)などの身体疾患でもみられます。
「冬季うつだろう」と決めつけず、身体的な異常がないかを確認するため、まずは内科などの受診を促すことが必要です。
【実務対応】休職・復職判定と就業配慮のポイント

就業判定において、産業医は「午前中の勤務が可能か」という点を重視して判断を行います。
睡眠リズムの乱れが原因であるため、復職に当たっては、フレックスタイム制の活用や復職時の段階的な慣らし勤務など、体内時計の再構築を中心に置いた計画が必要です。
就業判定と復職支援における判断基準を以下にまとめました。
| フェーズ | 産業医の判断ポイント | 具体的な措置・配慮 |
| 就業判定(軽度) | 日中の業務遂行能力はあるか | 残業制限、フレックスのコアタイム変更 |
| 就業判定(重度) | 午前中の出勤が困難か | 診断書に基づき、躊躇なく休職を勧奨 |
| 復職支援 | リズムが整っているか | 午前中の通勤(日光浴)をリハビリとする |
就業判定や復職支援におけるポイントについて見ていきましょう。
就業判定と意見書の書き方
SADの症状がある従業員に対し、産業医は症状の重さに応じて意見書を作成します。
症状が比較的軽く、午後に慣ればパフォーマンスが戻る場合は、「残業時間」や「フレックスタイムのコアタイムを午後にずらす(例:13:00~16:00)」といった措置が有効です。
しかし、午前中の眠気や倦怠感が著しく、業務に支障をきたす場合や、通勤中の事故リスクが懸念される場合は、無理に出社させず休職を勧める対応も必要です。
【重要】法務・人事との連携
ただし、法律上では産業医の役割はあくまで医学的な見地からの「意見具申(助言)」です。
休職命令などの最終的な就業上の措置の決定権と責任は事業者(会社)にあります。
トラブル防止のため、産業医の意見書だけで即断せず、必ず就業規則の休職規定と照らし合わせながら手続きを進める必要があります。
春の自然寛解と復職支援(リワーク)の注意点
冬季うつは、日照時間が増える3月~4月頃になると、自然に症状が軽快する傾向がありますが、完治したわけではなく、次の冬に再発する可能性が高い状態です。
復職支援においては、単に業務に戻すだけでなく、「朝、決まった時間に起きて日光を浴びながら通勤する」こと自体もリワークの一環と位置付け、冬季うつの改善をはかる必要があります。
また、復職の時点で「来年の秋口(10月~11月頃)に予防的な面談を設定する」という再発予防のための計画を立てておくことが、毎年の再発を防ぐ鍵となります。
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2021年改正対応!照明環境と安全配慮義務

令和3年(2021年)に事務所衛生基準規則が改正されたことで、オフィスの照度基準が見直されました。ただし、SAD予防には法的最低基準(300ルクス)では不十分な場合があります。
企業には、JIS(日本産業規格)の推奨値や高照度エリアの設置など、従業員の健康を守るための積極的な環境介入が推奨されます。
以下は、法的基準とSAD対策に有効な照度の比較です。
| 基準 | 照度(ルクス) | 目的・意味合い |
| 改正安衛則(2021年) | 300ルクス以上 | 事務作業を行うための最低限の基準 |
| JIS推奨(Z9110) | 750ルクス以上 | 一般的なオフィスでの推奨値 |
| SAD治療・予防 | 2,500ルクス以上 | 生体リズム調整・抗うつ効果が期待される値 |
事務所衛生基準規則の改正ポイント
かつて150ルクスとされていた事務室の照度基準は、令和3年(2021年)12月1日の改正施行により「300ルクス以上」に引き上げられました。しかし、改正後の基準は、書類を読んだりキーボードを打ったりする作業に支障がない水準に過ぎません。
メンタルヘルス不調、特に冬季うつの予防という観点では、300ルクスは十分とはいえません。
企業には、単に法令違反にならないための対応だけでなく、従業員が健康を維持できる環境を整えるという、法的遵守を超えた「予防的義務」が求められています。
参考:厚生労働省「ご存知ですか?職場における労働衛生基準が変わりました」
冬季うつの予防に必要な照度(ルクス)と対策
医学的に、概日リズムを整えたり抗うつ効果を得たりするためには、目から2,500ルクス以上の光刺激が入ることが望ましいとされています。
一般的なオフィスの照明だけでこの数値を満たすのは困難です。
そのため、具体的な対策として以下のような環境設定が有効でしょう。
- ● フリーアドレス制を活用し、窓際席を積極的に利用できるようにする
- ● 休憩室やリフレッシュスペースに、高照度光療法器(ライドボックス)を備えたブースを設置する
従業員が業務の合間に必要な光を取り入れられる環境を整えることで、冬季うつの症状を防ぎます。
【注意】窓際席の落とし穴:コールドドラフトとグレア対策
窓際の活用は冬季うつの予防に有効ですが、冬場特有の環境問題に配慮しないと逆効果になります。
特に、以下の2点に注意しましょう。
- 1. コールドドラフト(足元の冷え):冷やされた窓ガラスによって室内の空気が冷却され、下降気流となって足元が寒くなる現象です。窓際席を利用する際は、パネルヒーターの貸与や、断熱ボードの設置などの防寒対策をセットで行ってください。
- 2. グレア(画面の映り込み・眩しさ):冬の太陽は高度が低く、部屋の奥まで直射日光が入り込みます。これがPC画面に反射(グレア)すると、眼精疲労の原因になります。スラットを水平または少し上向きにするなど、ブラインドの確度を調整する工夫が必要です。
あわせて、PCモニターの輝度・コントラストを周囲の明るさに合わせて調整する、テキスト作業中心のときはダークモードを活用するといった対策も眼精疲労を軽減するのに有効です。
低コストでできる対策5選
大規模な設備改修が難しい企業であっても、工夫次第で効果的な冬季うつ対策は可能です。
費用をかけずにできる対策は、冬にあわせた業務リズムに調整することです。例えば、以下のように業務配分を調整し、パフォーマンスを低下させないような仕組みを整えます。
対策①「重要な会議」は午後に設定する
冬季うつ傾向のある従業員は、午前中の脳機能が低下しています。意思決定やアイデア出しを伴う会議を午前9時~10時に設定することは避け、パフォーマンスが回復する午後2時~4時頃に移動させるだけで、会議の生産性が向上します。
対策②季節を考慮した業務調整
「冬の午前中は、頭を使わないルーチンワーク(メール処理、経費精算、整理整頓など)を中心に行う」ことをチーム全体の推奨ルールとします。無理にアクセルを踏ませるのではなく、エンジンの暖機運転時間を公式に認めることで、午後の集中力を高めます。
対策③冬季期間はランチミーティングの中止と外食の推奨
昼休みは貴重な日光浴のチャンスです。会議室で弁当を食べるランチミーティングは冬場は禁止し、曇り空でも10,000ルクス以上の光がある屋外への外出を推奨してください。
対策④「窓際会議」の許可
オンライン会議や1on1ミーティングを行う際、あえて窓際の席やカフェスペースで行うことを許可します。「行儀が悪い」とせず、「光を浴びるための健康活動」として公認することがポイントです。
対策⑤高演色性デスクライトの貸与
天井照明を変えられなくても、個人のデスクにLEDデスクライト(数千円~)を設置することで、手元の照度を補えます。
【現代のリスク】外国人労働者とテレワークへの対応

低緯度地域出身の外国人労働者や外出機会が極端に減るテレワーカーは、冬季うつになる可能性が高いといえます。
緯度の変化による環境ストレスや、通勤による日光浴の機会がなくなることに対し、企業は多言語対応や住宅環境への具体的な介入を行うことが必要です。
現代の働き方において、特に注意すべき冬季うつのハイリスク群について解説します。
| 対象 | リスク要因 | 企業に求められる対応 |
| 外国人労働者 | 出身国との緯度差(日照時間激減) | 緯度変化リスクの教育、コミュニティ支援 |
| テレワーカー | 通勤消失による日光浴不足、閉所 | 部屋の明るさ確認、朝の散歩推奨 |
外国人労働者の「緯度変化」リスク
ベトナムやフィリピンなど、日本よりも赤道に近い低緯度の国から来た人は、年間を通して安定した強い日差しの中で生活してきました。
彼らが日本の冬(高緯度・短日照)に直面すると、身体が環境の変化に適応できず、冬季うつを発症するケースがあります。
さらに、異国での孤独感症状を悪化させる要因です。企業は、「日本の冬は落ち込みやすい」という知識を母国語で教育すると同時に、孤立を防ぐためのコミュニティ形成を支援することが、離職防止や事故防止につながります。
テレワークの「屋内閉所」リスクと対策
テレワークの普及により、通勤の必要がなくなると同時に、毎朝の日光浴の機会も減少しています。
一日中、カーテンを締め切った部屋でテレワークを行っていると、冬季うつのリスクが高くなります。
そのため、企業はテレワークの従業員が冬季うつを予防・改善できる環境を整えることが必要です。具体的には、産業医や保健師などの専門職が適切な環境設定がなされているかをチェックするとよいでしょう。
- ● 産業医や保健師が高ストレス部署のテレワーク従業員にWeb面談を行う
- ● Web商談時に部屋の明るさを確認し、カーテンを開けて日光を取り入れるように助言する
そのほかにも、始業前に15分程度散歩をするなど、職場内でルールを決めておくことも有効です。
- ● 背景エフェクトの一時解除は本人の同意を得てから行う
- ● スマートフォンの照度計アプリで数値を測定し報告してもらう
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予防と治療のためのメディカル・セルフケア

冬季うつの治療における第一選択は高照度光療法です。
また、セロトニンの原料となるトリプトファンの摂取やビタミンDの補充など、食事や生活習慣からのアプローチも効果的であり、これらを組み合わせることでより高い予防効果が期待できます。
冬季うつのセルフケアや治療について、以下の4つを紹介します。
- ● 高照度光療法(Light Therapy)
- ● 栄養療法(トリプトファン・ビタミンD)
- ● 睡眠リズムの見直し(休日の「寝だめ」禁止)
- ● 薬物療法と主治医連携(SSRIなど)
高照度光療法(Light Therapy)
高照度光療法は、専用の機器を用いて強い光を網膜に取り込む治療法です。強い光が網膜を刺激し、体内時計をリセットしてセロトニンの分泌を促します。標準的な方法では、以下のように照度(明るさ)によって必要な照射時間が異なります。
- ● 10,000ルクスの場合:毎朝 30分 程度
- ● 2,500ルクスの場合:毎朝 2時間 程度
家庭用や簡易的な機器では照度が低い場合があるため、短時間の使用では十分な効果が得られない可能性があります。導入の際はスペック(ルクス数と距離)を必ず確認してください。
例えば、スペックに10,000ルクスと記載があっても、光源から30cmの距離での数値であることが一般的です。1m先のデスクの端においた場合、照度は数100ルクスまで低下し、効果はほとんど期待できません。
機器導入の際は、推奨される距離(例:顔から30cm~50cm)で設置が可能かどうかもチェックしましょう。
また、高照度光療法は医療機関での治療だけでなく、最近では家庭用のライトボックスも普及しています。
企業としても、前述のようにオフィスの休憩室などへ導入を検討する価値はあります。薬物療法に比べて副作用が少なく、即効性が期待できる点もメリットです。
栄養療法(トリプトファン・ビタミンD)
食事においては、セロトニンの材料となる必須アミノ酸「トリプトファン」を意識的に摂取しましょう。肉、魚、大豆製品、バナナなどに多く含まれています。特に朝食でこれらを摂取し、よく噛んで食べることで、セロトニンの活性化が促進されます。
また、冬場は日光不足により体内で生成されるビタミンDも不足しがちです。ビタミンD不足はうつ症状と関連があるため、サプリメントでの補充や干し椎茸・鮭などの食材を取り入れることも、炭水化物への異常な欲求を抑える助けになります。
参考:厚生労働省「季節性情動障害に関する補完療法について知っておくべき6つのこと」
睡眠リズムの見直し(休日の「寝だめ」禁止)
光や食事に加え、冬季うつの改善に必要なのが起床時刻の固定です。冬季うつ特有の過眠症状に負けて、休日に昼過ぎまで寝てしまうと、体内時計がさらに後ろにずれる社会的ジェットラグ(Social Jetlag)が発生します。
対策として、「休日の朝も、平日との起床時間のズレを2時間以内に収める」「眠くても一度起きてカーテンを開け、光を浴びてから二度寝する」ことを推奨します。
体内時計は朝の光によってのみリセットされるため、行動療法は光療法とセットで行うことで効果があります。
薬物療法と主治医連携(SSRIなど)
環境調整や生活習慣の改善だけでは症状が回復しない場合、精神科・心療内科において抗うつ薬(SSRIなど)による薬物療法が必要なケースがあります。
産業医は原則として薬剤の処方を行いませんが、従業員が通院している場合は、主治医(精神科・心療内科)との連携が必要です。
具体的には、産業医から主治医へ現在の業務負荷や勤務環境を正確に伝える診療情報提供依頼書を活用して連携します。産業医と主治医感で情報共有がなされることで、薬の副作用による眠気にも配慮した適切な就業上の措置を検討することが可能になります。
まとめ:冬季うつ対策は「環境」と「産業医」の連携で実現する
冬季うつ(SAD)は、日照時間の変化などの環境変化に伴う精神疾患の一つです。そのため、従業員個人の「気合い」でどうにかなる問題ではありません。
企業としては、冬季うつが生産性低下や離職などの経営上のリスクにつながることを理解し、組織的な予防策が求められます。また、冬でも生産性を落とさない組織を築くことは、結果として企業の競争力を高めることにもつながります。
具体的には、冬季うつ予防を見据えた照明環境の見直しと産業医による早期発見・就業配慮を適切に行うことが必要です。
冬季うつをはじめとしたメンタルヘルス対応に強い産業医をお探しの場合は、ワーカーズドクターズまでご相談ください。ワーカーズドクターズでは、精神科領域を専門とする産業医が多く在籍しており、自社の課題に適した産業医を紹介可能です。
休職・復職判定や高ストレス者面談などのメンタルヘルス対応にお悩みの人事労務担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。
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