お答えします、
産業医の魅力とうまく働くコツ

  • Q.産業医の魅力、メリットは?

    A.ワークバランスを考えながら働ける自由度の高さ。
    そして、社会的ニーズがますます求められているやりがいのある仕事です。

    「嘱託産業医は、企業の論理だけにしばられずに中立的な考え方で取り組むことができる仕事です。もちろん社内でのコミュニケーションは必要ですが、一般の医師に比べて病院や他の医師とのしがらみも少なく、兼業もできる自由度の高さがあります。たとえば臨床医の仕事をされている方が、もっと社会に目を向けるために産業医を兼業するといったケースも多いです。
    また、近年は医療が高度化しているため、なおさら医師は内視鏡や手術器具などの操作ミスを起こさぬよう高度の注意義務が求められています。その点では、過度な緊張感を抱えることなく働けるのが産業医です。
    経済面でいえば、経験や知識があればあるほど一定以上の報酬を得られるので、経済的安定が見込めます。時間の面では、1日中拘束されることなくご自分のペースで働けるのが魅力でしょう。子育て中の女性産業医も安心してワークライフバランスをとることができます。
    そして、産業医はますます役割が明確化されてきています。以前だと「名ばかり産業医」という言葉があったぐらいで、現場でのニーズがあまり求められていなかった時代もありました。ところが最近では過重労働問題が浮き彫りになってきたことで、各企業も対策に力を入れ出し、過重労働面接や職場復帰面接のメンタルヘルス系の需要も高まっています。
    もちろんそれだけの責任はともないますが、そのぶんだけやりがいを持つことができる仕事だと思います。」

  • Q.産業医として失敗しないポイントは?

    A.産業医は“お医者様ではなくビジネスパーソン”という意識を。医学基準の判断ではなく、総合的な判断力がカギとなります。

    「産業医は、一般患者の診察や治療をする臨床医とは違い、企業から依頼され指導やアドバイスをすることが役割です。つまり病院の医師患者関係ではないので、そこにとらわれると失敗してしまいます。まずは、産業医はお医者様ではなくビジネスパーソンだという意識を持つことが大切です。
    たとえば以前、当社ではありませんが、眼底検査で軽微な異常があった該当社員全員を精密検査に回してしまった産業医がいました。けれども目の軽微な症状というのは加齢などでも起こりうるものであり、実際はその99%の方が経過観察ですむ状態だったということです。
    その結果、社員が精密検査に行くことで企業も時間の損失を出してしまい、その産業医に対して不信感をつのらせてしまいました。
    このように、産業医は医学基準に基づく判断だけでなく、総合的な判断が問われるもの。とはいえ、まだキャリアが浅い産業医では判断が難しい場面もあります。失敗を防ぎ、企業との関係をスムーズにするためには、経験のある産業医のアドバイスが重要。当社は企業との間でつちかった経験豊富な医師やスタッフがいるので、さまざまな側面からアドバイスをいたします。
    なおこれは産業医に限らずどの業種にも言えることですが、企業との連絡事項や報告などはしっかりと守りましょう。企業側と意見の違いがあった場合もあまりこだわらず、一つの視点にとらわれない物の見方ができればよい信頼関係を築くことができます。

株式会社 WORKERS DOCTORS 
顧問 伊東 一郎

臨床医、海外留学を経たのちNTT中央健康管理センターの産業医として勤務。同時期に公衆衛生学教室の研究生として産業用物質の毒性研究に携わり、労働衛生コンサルタント資格を取得。大手化学会社の専属産業医に転職ののち、労働問題を解決する視点を深めるため、民法(労働法)や刑法などの基礎知識や判例を学ぶために夜間法科大学院へ進学。2012年、株式会社 WORKERS DOCTORSを立ち上げ、企業に向けて産業医活動を提供している。