オンライン診療・服薬指導とは?メリットや注意点について解説

2022年07月06日

オンライン診療・服薬指導とは?メリットや注意点について解説

オンライン診療・服薬指導は、文字通り医療機関や調剤薬局へ足を運ばずとも医療サービスを受けられる比較的新しい仕組みです。

従来の対面診療との違いや特徴を理解すれば、多くのメリットを享受できるため、詳しく理解しておくと良いでしょう。

当記事では、オンライン診療・服薬指導の基礎知識や、利用する際のおおまかな流れ、メリットや注意点について解説します。

オンライン診療とは?

オンライン診療とは?

オンライン診療とは、スマートフォンやタブレットなどを用いて、病院の予約から決済までインターネット上で行う診察・治療方法です。

従来は患者が来院して診察してもらう対面診療が一般的でしたが、オンライン診療はその補完として2016年頃から国内に普及し始めました。

その後は外来通院での治療継続が困難だった患者を中心に利用が進み、2018年4月からは保険診療での利用も可能となっています。

ただし、医療機関によっては未導入であったり、一定の条件を満たす患者にのみ実施していたりする場合があります。

利用の際は受診する医療機関がオンライン診療に対応しているかどうか、あらかじめ確認しましょう。

こうした利用に関する条件や、保険が適用される疾患などに制限はありますが、今後はさらに適用範囲が広がっていくことが期待されています。

厚生労働省が都道府県ごとにオンライン診療を実施している医療機関のリストを作っているため、初めてオンライン診療を受ける方は、リストを確認してから医療機関にヒアリングしましょう。

▼参考資料はコチラ
オンライン診療に関するホームページ|厚生労働省
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について|厚生労働省

オンライン服薬指導とは?

オンライン服薬指導とは?

オンライン服薬指導(遠隔服薬指導)とは、パソコンやスマートフォンなどを使用して薬剤師が患者の状態を確認しながら薬の飲み方を説明するシステムです。

これまで服薬指導については、原則として薬剤師が対面で指導することが薬剤師法と医薬品医療機器等法(以下、薬機法)により義務付けられていました。

オンライン診療が解禁されてからもしばらく服薬指導は対面で実施され、患者やその家族に郵送された処方箋の原本を薬局に持参してもらう必要があったのです。

そのため、診察から薬の受け取りまでを自宅で完結できず、オンライン診療の課題として認識されていました。

しかし、国家戦略特区など一部の地域限定で実証実験が進み、2019年に成立した改正薬機法(※)により全国でオンライン服薬指導が可能となりました。

※施行は2020年9月で、さらに新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、時限的措置(0410対応)として同年4月施行に前倒しとなっています。

オンライン服薬指導を利用できる方には条件が設けられており、以下の2つを満たす患者が対象となります。

  • 1.オンライン診療によって処方箋が交付されている
  • 2.原則3か月以内に同じ薬局で処方箋を持参している

上記2の条件から、基本的に初診の場合はオンライン服薬指導を受けられません。

ただ、時限的措置である「0410対応」によって初診からの診療・服薬指導は部分的に認められています。

たとえば、「かかりつけ医」がいる場合であったり、受診歴がない場合でも健康診断結果の連携などや医師との事前連絡がある場合であったりと、患者の医学的情報が確保できていればオンライン初診が可能です。

当初は時限的措置でしたが、規制改革実施計画において、2022年度から恒久的な措置に切り替わりました。

▼参考資料はコチラ
新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて|厚生労働省
オンライン診療の適切な実施に関する指針 平成30年3月(令和4年1月一部改訂)厚生労働省

オンライン診療・服薬指導を利用する流れ

オンライン診療・服薬指導を利用する流れ

服薬指導を含むオンライン診療を利用する流れは、大別すると次のような手順になります。

1.インターネット予約

まずはスマートフォンやタブレットにオンライン診療用のアプリケーションをダウンロードします。

医療機関によって使用するアプリケーションは異なる場合があるため注意しましょう。

アプリ上で問診票の入力や保険証の登録といったユーザー設定を行い、診療予約を取り付けて完了です

2.オンライン診療

予約日時になったら、医療機関の医師とビデオ通話を開始します。

インターネット接続が安定した環境で実施しましょう。

3.処方箋の受付

処方箋はアプリ上で受け取り、その後患者はアプリから検索して希望する調剤薬局へオンライン服薬指導を申し込みます。

薬局側は診療を行った医療機関がアップロードした処方箋や保険証画像、問診データを受け取り、受付を行う仕組みとなっています。

4.オンライン服薬指導

薬局側は対面時と同様に処方箋の内容を確認し、レセプト業務(※)や処方箋に記載された薬のピッキング業務を行います。

※診療報酬の計算や請求明細作成

予約日時になったら、薬剤師が患者ヘビデオ通話を通じて服薬指導を行います。

5.患者負担額の会計

服薬指導まで完了したら、診療費における患者の負担分や、薬の配送料といった費用の会計が行われます。

会計はアプリに登録されているクレジットカードなどの決済情報を通じて自動で実行されます。

6.薬の配送

最後に薬局が患者へ届ける薬の配送を業者へ依頼し、オンライン診療・服薬指導は完了です。

オンライン診療・服薬指導のメリット

オンライン診療・服薬指導のメリット

もともとオンライン診療・服薬指導は、離島やへき地といった医療資源の乏しい地域へ医療サービスを提供するために導入が進んだ背景があります。

では、全国的に普及が進んだ現在、オンライン診療・服薬指導にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

待合室で待つ必要がない

外来の診療では、受付や診療後の会計の順番を待合室で待つ場面がよく見られます。

一方のオンライン診療・服薬指導はすべて予約制であり、会計や処方箋の手配もアプリを通じてオンラインで完結します。

したがって、受付や会計の待ち時間が短縮されるのがメリットのひとつです。

物理的な制約がなく院内感染のリスクもない

インターネット環境がある場所であれば、オンライン診療・服薬指導は自宅や外出先などで利用できます。

医療機関へわざわざ足を運ぶ必要はなく、物理的な制約から解放される分、利用できる機会が多くなるでしょう。

また、物理的に医療機関へ行かないため、院内感染のリスクもありません。

オンライン診療・服薬指導を利用する際の注意点

オンライン診療・服薬指導を利用する際の注意点

オンライン診療・服薬指導はまだ導入されたばかりの仕組みであり、まだ課題が残される部分があります。

そこで、実際にオンライン診療・服薬指導を利用するうえで注意すべき3つのポイントについて解説します。

自身の疾患がオンライン診療に適しているか確認する

オンライン診療で行うビデオ通話では、モニター越しに患者の状態を確認することになるため、医師が情報を得られない部分もあります。

たとえば、触診や聴診による病状の判断はオンラインでは困難です。対面診療を利用した方が正確な診療が可能な場合もあるでしょう。

また、定期的な検査を必要とする疾患や、激しい頭痛といった新規の急性症状はオンライン診療に適していません。

継続的にオンライン診療を希望するとしても、一度は対面診療を受診するのが良いでしょう。

自身の疾患に保険が適用されるかを確認する

自身の疾患に保険が適用されるかを確認する

現在のガイドライン(オンライン診療の適切な実施に関する指針)では、オンライン診療のうち、保険適用で診察が受けられる疾患は限られています。

制度の導入から現在までに対象となる疾患は増えていますが、オンライン診療を利用する前に自身の疾患に保険が適用されるかを確認しておきましょう。

現時点でオンライン診療料の算定(保険適用)が可能となる項目および疾患は大別して次の通りです。

  • ・厚生労働大臣が定める特定疾患(結核や悪性新生物など)
  • ・15歳未満の患者が持つ特定疾病(脳性麻痺や先天性心疾患など)
  • ・6歳未満で、かつ出生時の体重が1,500g未満であった入院中以外の患者の診療
  • ・てんかん(外傷性を含む)の患者の診療
  • ・パーキンソン病や肥大型心筋症など333の指定難病
  • ・糖尿病透析予防が必要な糖尿病の患者の診療
  • ・診療所と許可病床200未満の病院が対象で、合併症の患者への包括的な診療
  • ・認知症の患者に対する、認知症以外の疾患に対する診療
  • ・脂質異常症や高血圧症などの生活習慣病
  • ・在宅での療養を行っていて、かつ通院困難な者に対する診療
  • ・精神科への通院が困難な患者への診療

▼参考資料はコチラ
オンライン診療に関するアンケート集計結果|厚生労働省

まとめ

オンライン診療・服薬指導は、メリットや課題を踏まえながら今後も検討が進められていくものとみられます。

オンライン診療に適した疾患の場合は積極的に利用し、そうでない場合は従来通り対面診療を利用して、ふたつのやり方を上手く使い分けるのが重要です。

事前に厚生労働省などが公開している情報のリサーチや、通信環境の整備などを行い、効果的にオンライン診療・服薬指導を利用できるように準備しましょう。

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