「働き方改革関連法」を業務見直しのきっかけに

2019年07月15日

【「働き方改革関連法」とは?】

2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行されます。
現在日本では、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」などの状況に直面しています。こうした中、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。
「働き方改革」は、長期的な労働者の確保のために、働く人の置かれた事情に応じ多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く人がより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。

◆働き方改革関連法案のポイント

  1. ① 時間外労働の上限規制の導入 <施行:2019年(中小企業2020年)4月1日~>
  2. ② 年次有給休暇の確実な取得 <施行:2019年4月1日~>
  3. ③ 正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止 <施行:2020年(中小企業2021年)4月1日~>

当たり前の権利であるはずの有給ですが、取得するのは「心苦しい」と感じさせる職場が多いのが現状です。業務量が多く忙しい職場や人員が足りていない現場では休みにくいといった環境に加え、交代勤務の多いサービス業での有給取得率は特に低くなっています。
フランス、ドイツなどでは労働法によって有給休暇の取得を義務づけられているため、働く人は当たり前の権利として有給取得します。日本でも「働き方改革関連法」の施行は、「休めるなら休んでいいよ」から「有給取得は義務だよ」と考えを切り替える機会となるでしょう。

業種別労働者1人平均有給取得率(%)( 厚生労働省 平成30年就労条件総合調査より)

【効率よく働くために】

働き過ぎを防ぐことは、働く人の健康を守り、ワークライフバランスが整い一人ひとりの豊かな人生につながると考えられています。
また、長時間労働によって疲弊することで、体調不良はもちろんのこと、心の不調をも引き起こします。
結果的にかえって生産性を低下させることになり、業務を消化することが目的での残業が恒常化されているならば、結局意味をなさないことになってしまいます。
そこで、時間外労働をせずに業務を終わらせる効率化について考えたいものです。

◆業務効率化のヒント

  1. ①無駄をなくす
    昔からの流れで行っていた目的のない業務
    上司からのフィードバック無しの発展性のない業務日報
  2. ②減らすことを考える
    上司の許可を得ないで行う残業や、ツラレ残業をなくす
    整理整頓して、探す時間を減らす。

【働き続けるために】

少子高齢化が進む今、労働力確保のためには、従業員に長く働いてもらうことが重要となります。
この4月から労働安全衛生法の改正で、「産業医・産業保健機能」と 「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されました。産業医の先生に積極的に関わっていただき、従業員の方自身が、健康に対する意識を持ってもらえるように促していきましょう。
会社には、労働者の健康管理義務がありますが、働く側にも健康診断受診義務があります。
昭48・5・23東京地裁判決のNHK事件では、「健康管理は会社に出勤している間だけのものではなく、私生活上の行為も大きく左右するので、労務指揮に関係がない場面における健康確保は労働者自身がその責任においてなすべき事柄であると解するのが相当である」という判例があります(判時706号)。働く人には決められた健康診断を受け、体調を管理することも仕事の一部であり、長く働き続けるためには必要不可欠であると教育することが必要です。
今後は、経営者、管理者は法律の後ろ盾を得たと前向きに考え、長時間労働を回避させ、十分な有休取得を促す一方でその分の業務効率化を目指して、業務改革に取り組みたいものです。

参照:働き方改革関連法案について(厚生労働省HPより)